イラストレーションフェスティバル

高橋由季

高橋由季

高橋由季

イラストレーター。カヤヒロヤとデザインユニット<コニコ>としても活動。 ザ・チョイスに江口寿史の審査にて準入選。2016年韓国のブックショップ<YOUR MIND>より『Coffee & Bread』出版。2017年ONREADINGの出版レーベル<ELVISPRESS>より作品集『ニューテレポーテーション』を出版。書籍・雑誌・広告・CDジャケットなど、さまざまな媒体で活動中。
HP:http://takahashiyuki.com

今を生きる僕たちに寄り添うためのイラストレーション、という名の人生をブーストさせるサウンドトラック

誰もが一度はどこかで目にしたことのある、このポップでアンニュイでスウィートな少女たちのたたずまいを前に、高橋由季がテン年代の東京、いや日本のキャッチーをもっとも巧みに描き出す旗手の一人であることに異論をはさむ者はそういないはずだ。そこに顔をのぞかせるのは、ごくふつうの女の子。のんびり寛いだり、戸惑いながらも働いたり、ときには本の世界で思索にふけったり。「ただかわいい女の子を描くのが好きなだけ」なんて自身はうそぶくも、この時代にここに居ること、つまり無意識なサヴァイヴをこれまた無意識に、だが克明に切り取ることで、彼女はイラストレーションがこの世界で機能する定義をさりげなくエレガントに更新しているようにすら思える。たとえるなら、誰しも人生において気持ちをブーストさせてくれるサウンドトラックがあるように。この絵は今を生きる僕たちに寄り添うためのイラストレーション、であらんとしている。(担当:藤井道郎)